満開の桜が待ち遠しい今、一足先に「沈丁花」が咲き誇っています。
散歩をしていると、花の姿は見えなくても風に乗ってどこからともなくこの香りが漂ってきます。
私は金木犀の他に沈丁花の香りが大好きで、毎年花が咲く時期になると河原の実家の庭に咲いている沈丁花を少し切ってもらって、自分の部屋に飾っています。その間、この花は究極のルームフレグランスとして、室内を上品に彩ってくれます。本当は年間を通してこの香りに包まれていたいと思うほどですが、沈丁花の花期はあまり長くないため、1年のうちのほんの1~2週間程度という、束の間の贅沢なひとときです。
それでもどうにか365日いつでも好きな時にこの香りを楽しみたいという思いから、沈丁花の精油(植物から採る芳香油)をいろいろ探してみましたが、非常にデリケートな性質で精油にすると香りが変化してしまうそうで、どのアロマテラピー専門店でも販売されていません。
この香りにまた出会えるのは1年後。簡単に手に入らないからこそ、強く惹かれるのかもしれません。
最近「パフューム」という映画を観たことも影響して、ますます「香り」の魅力に惹きつけられています。優れた嗅覚を持つ天才調香師が主人公のこの映画は、馨しい香りによって翻弄させられる人間の姿を様々な角度から描いています。
例えば私自身も、道ですれ違った人の香水の香りに惹かれて、もっと近くで嗅ぎたいな・・・と思ったり(もちろん行動には移しませんが!)、雨が降り出したときの匂いに心が切なくなったり、洗濯したタオルの匂いに安心感を覚えたり・・・と、目には見えない存在にもかかわらず、香りから心に強い影響を受ける時が多々あります。
神秘的でロマンチックな「香りの魅力」。そして驚くべき「人間の嗅覚」。
香りと嗅覚の複雑な関係は、現代医学においても未解明の部分が多いそうです。
でもそのメカニズムを少し学んでみると、良い香りがいかに私達の美容や健康に影響し、生活を豊かに彩ってくれるのかが良くわかります。
5月からアロマテラピー教室も、また新たにスタートします。ご興味ある方は是非ご参加下さい。
(2007/03/29 こまつ)