第36号 影響を与えてくれる人

夜、眠りにつく前の日課は読書です。
枕元にはページが開かれるのを待ちわびる本が数冊、常に積み重なっています。
私が買った本ではなく妹のものですが、いつも彼女が「この本読んでみて」といって私に渡すので、読んでも読んでも追いつかず、ついには枕元に本のタワーができてしまいました。

全て白洲次郎に関する本。妹曰く複数の本を読むことで、物の見方に広がりがでるとのこと。

全て白洲次郎に関する本。妹曰く複数の本を読むことで、物の見方に広がりがでるとのこと。

桃の節句のアレンジ。お内裏様とお雛様は紙粘土で手作りしています。

桃の節句のアレンジ。お内裏様とお雛様は紙粘土で手作りしています。

年子で背格好も似ており、お揃いの服を着ることが多かった私と妹は、しばしば双子と間違えられました。と言っても似ているのは外見だけで、幼い頃から性格や嗜好は全く違う姉妹でした。
子供の頃から私は完全な「インドア派」。
対して妹は近所を友人達と駆け回りっぱなしの「アウトドア派」。ドブ川に落ちて私の助けを泣いて求めていた時もありました。
学生時代から運動オンチの私は、体操部に所属する妹が軽々とバック転をする姿を目撃しては、血を分けた姉妹とは思えないと密かに感心したものでした。

全て白洲次郎に関する本。妹曰く複数の本を読むことで、物の見方に広がりがでるとのこと。

全て白洲次郎に関する本。妹曰く複数の本を読むことで、物の見方に広がりがでるとのこと。

今でも基本的な性格はお互い変わらず、嗜好の違いは更に顕著になるばかり。
本一冊にしても、私は現代小説を買うことが多いのですが、妹は日本や世界の歴史ものを始めとして、精神心理学や哲学、冒険家やジャーナリストのエッセイ等ありとあらゆるジャンルの本を沢山持っています。
そのうちこの本の重さで家が傾くのではないかと思うほど、たくさんの本を愛蔵する読書家です。彼女から借りた数々の本は、年齢と共に凝り固まった様々な考えや、価値観を見事に転換させてくれるものも多く、そこには自分の知らない世界が濃縮されて詰まっています。

花に関する知識はほとんど無い妹ですが、自分の仕事の傍ら、我々の仕事の良きアドバイザーとして、時に一スタッフとして助けてもらっています。
各種レッスン時はアシスタントとして、生徒さんの受付や会計、準備や片付けなどを手馴れた様子でテキパキとこなしてくれ、忙しい時期の書類の整理や、DMの封入、この四季旅人通信の校正も妹に頼んでいます。

仕事やプライベートにおいて困ったり悩んだ時はいつも相談しており、「四季旅人」も「私自身」も彼女の影響を大きく受けていることは確かです。
姉妹なだけに感情をストレートにぶつけてしまう時もありますが、これからも感謝の気持ちを忘れずに、お互いお婆ちゃんになるまで影響を与え続ける存在でありたいと思います。

(2007/02/27 こまつ)