第233号 赤い誘惑

苺が旬を迎えています。
スーパーで見かけるとつい手に取ってしまうので、この時期、我が家の冷蔵庫の中はいつも甘い香りがたちこめています。

どうして苺はこんなにも愛らしいのか。
赤くてツヤツヤした実と、上にちょこんと乗った葉のコントラスト。
この赤と緑の組み合わせが、私たちの心を惹きつけるポイントのような気がします。

色彩学に触れたことがある方はご存知だと思いますが、赤と緑は補色の関係です。
補色とは色相差が一番大きく、コントラストが最も強いので、お互いの色を目立たせる効果があります。

他にも「バラの花」というと、赤いバラを思い浮かべる方が多いと思いますが、これも同じく花弁の赤と茎や葉の緑が補色の関係です。
赤いバラ1本を飾っただけで、その空間が特別なものになる。他の花は持ち得ない存在感だと思います。

つまり苺も赤いバラも、その個体自体がインパクトをもたらす配色となっていると言えるわけです。

何はともあれ、美味しい苺が食べられる季節。
ショートケーキもパフェも食べたい。
苺ミルクも練乳がけもいいな…と食べたい気持ちが抑えられません。

(2024.3.28 こまつ)