第179号 アイデアを求めて

春夏秋冬、一年を通して様々な植物に触れることができる喜び。
そのささやかな幸せを知って頂きたくて、今から約15年前に埼玉県三郷市のレンタルスペースで花教室を開講しました。

長く通い続けて下さっている生徒さんも多くいらっしゃり、常に新鮮な気持ちでフラワーデザインを学んで頂けるよう、講師である自分自身のアップデートも早いスピードで求められていることを感じます。

多くのフラワーデザインに見て触れて学ぶことはもちろん、本を読み、人に会い、旅に行ったり、面白いことを体験して、様々な角度から刺激を受けることが大切だと感じています。自分の知識や体験なんて、広い世界の中では小さな点のようなもの。沢山学ばなければ、新しい発想は生み出せません。

先日、人気のパティスリーで開講されているお菓子教室に参加してきました。制作するお菓子のタイトルは「サバラン エキゾチック」。
マンゴー、パイナップル、ドラゴンフルーツを混ぜ、アクセントにラム酒とパクチーを少々。焼いたブリオッシュにそれらをトッピングし、パフェに仕立てるレッスンでした。

使用する果物の産地に合わせ、砂糖やリキュールも南国原産のもので揃えるという先生のお話を聞き、それは花合わせにも通ずるものがあるな、と思ってみたり、どんな風に飾り付けたら美しく見えるかという説明にも、繊細な美しさの裏にある細やかな心配りが感じられ、とても刺激をもらいました。

花もお菓子も、心を豊かにしてくれるもの。
自分がその仕事に携われていることを、改めて幸せに感じるひと時でもありました。

今後も様々な分野に好奇心を持って学び、咀嚼して吸収し、それらを花を通じて表現できたらと思っています。

(2019.7.25 こまつ)