シュークリームが大好きです。
子供の頃に母と行った、商店街のパン屋さんの店頭に、シュークリームが山積みになったガラスケースがあって、その「まるで夢のような景色」は今でも忘れられません。
黄金色のふわふわした雲の形のようなシューに、たっぷり入ったカスタードクリーム。そのカスタードクリームの重みで、シューの底がちょっと出っ張ってしまっているという、愛嬌ある姿。
口に入れると、シューが割れて、その隙間から流れ出てくる優しいカスタードクリームの味。優しく持ってあげないと、いつ破裂するかもしれないという、ドキドキ感。
高校生の頃は、期末テスト等が終わると、勉強を頑張った自分へのご褒美として、帰り道にコンビニでシュークリームとプリンを買って帰っていました。
体型を気にする年頃であるがゆえ、二つのデザートを一度に食べてしまうことへの罪悪感が心を占領し始めるのですが、「テスト勉強も頑張ったし、今日だけは特別。」と都合の良いように解釈し、それらを頬張る時の幸福感は、何にも代え難いものがありました。
そして、今でもやっぱりシュークリームが大好きです。
ケーキ屋さんでは、華々しいケーキが前列に並び、シュークリームはちょっと端っ子の方に追いやられていますが、私はその存在を見逃した事はありません。
華はなくとも、素朴な味を武器に、裸一貫で勝負している姿に感動すら覚えます。これからも頑張った私を、優しく癒す存在であってほしいと願います。
(2010.6.22 こまつ)