秋も深まり、果物も美味しくて、うれしい毎日です。
移動花屋を始めてからというもの、季節の移り変わりを空の色や雲の形などからも感じ取れるようになってきました。
「どうして、お店の名前を四季旅人にしようと思ったのですか?」という質問を時々頂きます。「移動花屋なので、四季折々に咲く草花を売り歩くという意味で・・・」というと、話が簡潔で、分かりやすいのでいつもそのように答えています。
でも、本当はもうちょっと説明の続きがあります。
辻仁成の「千年旅人(せんねんたびと)」という本をご存知ですか?
私はこの本の「あとがき」がとても好きです。本編はたった一度きりしか読んでいませんが、あとがきの部分は数え切れないほど読み直しています。何かに悩んだり、道に迷った時には、ふと思い出してこの本を広げます。
人生を千年かけて旅する人(つまり慌てず、動じず、ゆっくり生きる人)を千年旅人と言うそうです。
単に長生きをするということではなく、「生き方」のことです。
(言葉の意味をここで全て伝えるのは難しいので、本屋さんで見かけたら是非手に取ってみてください。)
この本に出会ってから、「千年旅人」という言葉は自分の人生の指標となりました。この言葉の一部を屋号に使いたくて、「四季旅人」が生まれたというわけです。
来月、四季旅人は本物の旅人となって、パリに花の視察に行ってきます。
短いスケジュールになってしまいましたが、多くの収穫を得て帰って来たいと思っています。
来月の四季旅人通信では、パリの素敵な写真をご紹介できればと思っています。
(2005/10/28 こまつ)