第100号 四季旅人通信100号を迎えて

月に1度、書き綴ってきた四季旅人通信が今回100号を迎えました。
100ヶ月という歳月の中で、その時思ったこと、感じたことをそのまま文章に連ねてきました。読み返してみれば拙い文章のなんと多いことか。恥ずかしいですが、それもまた一つの歴史なのだと自分に言い聞かせています。

芍薬やイングリッシュローズを使ったブーケ。香りも豊かです。

芍薬やイングリッシュローズを使ったブーケ。香りも豊かです。

思い起こせば20代半ば。OLだった私は突然体調を崩し、頭髪がほとんど抜け落ちてしまう病気になりました。当然、仕事に行くことができず退職。やりがいある仕事を頂き、おしゃれを楽しみ、友人と食事や旅行をしたりする毎日を楽しく感じていたので、人生とはこんなにも急転するものなのかと途方にくれました。今思い出しても、一番苦しい時間だったと思います。

でも毎日泣いて暮らしても何も生まれない。全て一度リセットしたと思って、今やりたいことを存分にやってみよう。そう思った瞬間に、私は強くなれたと思います。医師からは「治るかどうかわからない」と言われていましたが、近所の花屋さんで、帽子を被って仕事をさせてもらうことになり、植物に触れることで力を得たのか、気がつけば髪が元通りになっていました。

メンテンスさせて頂いている花壇も夏の姿に変わりました。

メンテンスさせて頂いている花壇も夏の姿に変わりました。

苦悩の日々から救ってくれた植物の力。それを自分らしく、多くの人に伝えていけたら・・・という思いで四季旅人を立ち上げ、沢山の人の協力を得て、ここまで辿り着くことが出来ました。

畑違いの転職をした私を、いつも温かい目で見守って下さった経営者の先輩方。退職してからも変わらず交流を続けて下さっている元職場の先輩や同僚。学生時代からの友人達。そしてこの仕事を通じて知り合えた沢山の方々。私にとって、かけがえのない宝物です。

じめじめした空気の日は、お香を焚いてすっきり。

じめじめした空気の日は、お香を焚いてすっきり。

その方々の恩に報いるためにも、私はこれからも学び続けたいと思います。仕事に対しての驕りを捨てて、いつも不完全な自分を意識し続けていたい。すごく苦しいことですが、謙虚に学び続けなければ、歩みはストップするものだと思っています。

心に余裕を持てずに鬼瓦のような顔をしている自分の姿を鏡で見て、ハッとすることもありますが、これからもできるだけ笑顔を絶やさずに、一歩ずつ頑張ります。今後とも四季旅人をどうぞよろしくお願い致します。

(2012.6.25 こまつ)