第248号 雨音を聞きながら

2025年6月末日。
今年の梅雨はどこに行ってしまったのでしょう。
私の住む地域は梅雨入りとは名ばかりで、ほとんど雨が降らない6月となりました。

恵みの雨は農作物のみならず、市場に並ぶ花の生育にも必要不可欠なもの。
雨が少なかったことで、これから出荷される植物にも大きな影響が出ないことを祈るばかりです。特に需要が高まるクリスマスシーズンや年末の花々に影響が及ぶと、相場に大きな乱れが生じ、業界全体の混乱が予想されます。
改めて、自然の恵みを分けてもらって日々暮らしていることを痛感します。

「晴耕雨読」という言葉が好きです。
晴れの日には体を動かして働き、雨の日には本を開いて心を養う。

単に農作業と読書を繰り返す生活というのではなく、自然の恵みに感謝しながら働き、また別の日には本を開いて思考を深めたり休息する生き方。
何となく、この言葉を聞くと気持ちがホッとするのは私だけでしょうか。

フリーランスであるがゆえ、晴耕と雨読のボーダーラインが曖昧になることが多く、無意識のうちに仕事メインの暮らしに偏りがちなのかもしれません。
実際に雨が降った日に仕事を休むわけでも本を読むわけでもありませんが、意識して切り替えることが、心身共に健康で豊かな人生を送るために必要であることを、この言葉が教えてくれているのだと思います。

最近、話題の文芸誌のGOATを購入しました。
雨音を聞きながら本を開くのは幸せなひとときですが、雨が降らないので、エアコンの稼働音を聞きながらの読書です。
これもまた贅沢なひとときです。

(2025.6.30 こまつ)

梅雨に向けて傘を新調しましたが、ほとんど出番がありません。