第245号 桜の魅力

はるか昔から、こんなにも人の心をつかんで離さない。
そんな花は他にあるでしょうか。

普段は「花より団子」の人さえも、桜の開花情報だけは気にかけていたりする。
私たちの心を弄ぶかのように、つぼみのままジッとしていたり、あっという間に散ったりして、気が付けば来年までお目にかかることができない桜。
やはり桜の魅力は特別ですね。

品種は数えきれないほどあるようですが、花市場で良く見かけるのは河津桜、東海桜、彼岸桜、啓翁桜、吉野桜。値段も手ごろで、花束やアレンジメントにも入れやすいサイズが人気です。他に安行桜、陽光桜や八重桜等、少し高価ですが存在感のある桜もまた特別な美しさです。

満開になるとすぐに散ってしまうイメージが強いと思いますが、意外とそこから粘ってしばらく咲いてくれ、更にそのままにしておくと花の間から葉が出てきたりするのも面白いところです。

実は、私は子供の頃に両親にお花見に連れていかれた時、すごく退屈だったのを今でも覚えています。花の下でお弁当を食べて何がそんなに楽しいの?実際、大人たちは桜なんて見ていない。目の前のお弁当やお酒に夢中なのに・・・と。

でも大人になった今、当時の大人たちが桜を理由に外でのびのびと宴会をし、心を開放させて春を楽しんでいたのがわかるようになりました。長い冬が終わって、ピンク色で埋め尽くされた空の下で楽しむひとときは、何より贅沢ですよね。

私の住む埼玉県も、あと数日で桜が満開になりそうです。
レジャーシートとお弁当、ビールを持って、近くの公園でお花見を楽しみたいと思います。

(2025.3.27 こまつ)

ある日のアトリエの東海桜