第238号 お疲れさまの甘いもの

学生の時、定期テストが終わると、帰り道にコンビニエンスストアによってシュークリームとプリンを買うのが定番でした。

スイーツを一度に2個食べるのは、ダイエットを気にする女子高生にとって勇気がいることですが、頑張った自分へのご褒美としてこの時だけは特別でした。
今でも大変だった時や頑張った後は、つい甘いご褒美に手が伸びてしまいます。

今年の夏休み。
楽しみにしていた旅行直前に子供が体調を崩し、出発前日に全てキャンセルすることになりました。ホテル、新幹線、フェリー、レンタカーの全てとあって、取消料もかなり高額。

がっかりしながらも子供の体調回復に努め、すっかり良くなった頃に今度は私が罹患。
さらに夫は首の筋を痛め、日常生活に支障をきたしている様子。
泣きっ面に蜂とは、まさにこのこと。
世の中は夏休みを楽しそうに過ごしている中、我が家だけは暗い雲に包まれたようでした。

やれやれと思っていた矢先、今度は冷蔵庫の調子がどうもおかしい。
いつもならカチカチに固まっているはずの保冷剤が少し柔らかいのです。その後、製氷機も動かなくなり、冷蔵庫内の温度もぬるくなっているような・・・

こんなに暑い時期に冷蔵庫が完全に壊れてしまってからでは大変だ、と必死で新しい冷蔵庫を探してネット注文し、その2日後には新しい冷蔵庫が運び込まれたのでした。

思わぬ出費が重なり、予定も大きく乱れ、散々な夏休みとなりましたが、その間に気持ちを和らげてくれたのはコンビニスイーツでした。
冷たいアイスカフェオレを淹れて、優しい甘さの生クリームを頬張ると、固くなった心が解れていくようで、色々あったけど仕方ないね、と思えるようになりました。
なんて安上がりなんでしょう。

さすがに今は2個を一度に食べることはありませんが、吟味して選んだひとつをじっくり味わうのは幸せな時間です。
学生時代からずっと変わらない、私の癒やしです。

(2024.8.30 こまつ)

最近のお気に入りはミルクレープロール