毎年6月の我が家の恒例行事は「手作り味噌の天地返し」と「梅酒作り」。
これだけなら、とても丁寧な生活を送っているのだな・・・と思って頂けそうですが、実は毎年結構しぶしぶ行っている作業です。
味噌の天地返しとは、冬に仕込んだ手作り味噌をかき混ぜる作業のこと。仕込み容器の中の味噌の色(熟成度合い)は、上下でかなりの差があり、それを混ぜることで仕上がりを均一にする作業です。
そのタイミングがちょうど毎年6月頃なのです。
そして実家の梅の木に、たくさんの梅がなり、母が嬉々として収穫作業をするのも同じく6月。毎年立派な梅の実が大量に収穫できるので、その一部が我が家に回ってきます。収穫した梅はあっという間に熟し過ぎてしまうので、できるだけ早く作業しないといけません。
このふたつ。
毎年私の心に小さな影を落とします。
「面倒だなぁ。でも早くしないと美味しくできなくなっちゃう。今日やろうか。いや、やっぱり明日にしよう。」
そんなことを考えているうちに、あっという間に一日が終わって、行動しなかった自分を小さく責めることも、ある意味、毎年の恒例行事に。
今年こそは、ササッとやってしまおう。
そう固く決意し、令和最初の味噌と梅の作業は、今までにない軽やかさで全てを終えたのでした。全てから解放された気持ち、なんて清々しいのでしょう。
そんな風に思うのなら辞めたら?と言われそうですが、それぞれ完成した時の高揚感や美味しさを思うと、なかなか辞められません。
怠け者が目指す、丁寧な暮らし。
山あり谷ありですが、ひとまず心は軽やかです。
(2019.6.30 こまつ)