第223号 白に包まれる

心が解れてホッとするひととき。
一日を無事に終えて、真っ白な布団に入る時間が幸せです。

我が家は布団3枚を横並びに敷いて寝ています。
寒くも暑くもない今の時期は、フワフワの羽毛布団に綿の白いカバーをつけたものを各自1枚ずつだけ掛けています。

適度なボリュームと、見た目に反する軽さ、綿の少しひんやりとした肌触り、白色の清潔感。

そう、まさしく幸せの塊です。


シーツも枕カバーも同じ白い綿で覆っているので、寝具類は全て白一色なのですが、機能性以上に美しさに惚れ惚れします。

数年前までは、子供が就寝中に時々鼻血を出して、真っ白いシーツに点々と赤い鮮血が広がることがありました。白と赤のコントラストの強さに驚きつつも、落ち着いていられるのは、気にすることなく漂白ができるからです。
柄や色物はそうはいきませんよね。

ここ数週間は少し気温の高い夜もあり、気が付くと家族全員が掛布団を就寝中に遠くへ押しやっている日もありました。でも真夏がやってくるまでの残りわずかな貴重な季節を、何としてでも真っ白な羽毛布団と過ごしたい。幸せの時間をどうにかして少しでも長く死守したいのです。

天気予報で「梅雨寒(つゆざむ)」という言葉を耳にすると、ひとり小さなガッツポーズをする。誰も知らない私の小さな幸せ。

今年もその幸せが少しでも長く続きますように。

(2023.5.31 こまつ)