第222号 アトリエの小径

昨年の夏からスタートしたアトリエの改修工事が、先日無事に終了しました。
気になる所を全て直してもらい、格好も良くなって、これでまた気持ちよく仕事に励めそうです。

長い間、職人さん達が作業をして下さっていましたが、最後の駐車スペースを庭に変える部分の植栽&外構工事は私自身が行いました。

季節の移ろいが感じられる緑豊かな庭を持つことは、ささやかな夢でもあったので、念願叶って嬉しかったのですが、ちょうど年度末の多忙な時期と重なり、とりあえず車をおけるように、とりあえず歩けるように、と「とりあえず」を繰り返すうちに、少しずつイメージとは異なりはじめ・・・。
理想像を固めておく重要性をしみじみ感じました。

樹種や下草の選定はもちろんですが、敷砂利や踏み石、レンガ類のセレクトは最も大切です。とはいえ、近所のホームセンターで扱う種類には限界もあり、今回はレンガは遠方から気に入ったものを取り寄せることに。

外壁の色とあわせた色合いで、古びた味わいのあるグレーのレンガを探し出し、兵庫県から4回(4平米分)に分けて配送してもらいました。
保管するスペースも十分ではないため、ひとまず1平米を敷いたら次のレンガが届くようなタイミングで、納品日をスケジューリングするのにも頭を悩ませました。

施工は、水はけが悪いので土を掘って平らにならし、砕石と砂を入れて土台を作り、そこにレンガを平らに敷いていく作業の繰り返し。根気を必要としますが、完成した小径をご覧下さい!なかなかの出来栄えでしょう。

現場合わせが多い花の仕事に慣れているせいか、緻密に計測せずに感覚で作業するケースが多く、今回も行き当たりばったりな施工でしたが、上手く傾斜を付けながら扉の下にレンガをちょうど納めることができました。偶然と言えばそれまでですが。

でもこのちょっと不格好な、きっちりしていない素人感が好みで、自分としては大満足な出来栄えとなりました。

あれもこれもと植えすぎてしまった植物たちも、きっとこの夏には青々と茂ってくれるでしょう。とても楽しみです。

アトリエ前のほんの短い小径ですが、レンガと植物が上手くマッチして、今一番気に入っているスペースです。

(2023.4.26 こまつ)