第206号 別荘暮らし 憧れと現実

建築家の吉村順三氏の書籍「小さな森の家」をご存じですか?
この本を読んでからというもの、私の憧れはただ一つ。
・・・別荘が欲しい。
久しぶりにこの本を開き、眺めているうちに、その思いが更に強くなりました。

思い立ったが吉日。
別荘探しを始め、Airbnb(エアビーアンドビー)というバケーションレンタルサービスを利用して、先日栃木県の貸別荘に家族で1泊してみました。(さすがに購入はできませんので)

高原の高台に建つ一軒家で、山々の緑に囲まれた家はバルコニーから関東平野が一望でき、野生の鳥や猿の声までが聞こえ、その素晴らしさにうっとり。

しかしそれも束の間、慣れない土地で快適に過ごすにはハードルがとても高いことに気が付かされたのでした。

室内には薪ストーブがあることを知っていたので、色々と調べて一晩で必要であろう薪を3束持っていきましたが、最初の1時間で1束使い切るというハプニング。

秋とはいえ、高原の夜はとても寒くてストーブなしでは絶対に過ごせません。
チビチビと薪をくべ、最終的には割り箸まで燃やし、何とかギリギリ間に合わせたのでした。

更に道中で立ち寄った食料品店が大混雑で入れず、近くにコンビニもないので、持ち込んだ少ない食料品を家族で分け合って翌朝まで過ごすという悲しい事態。

帰り道は野生の猿軍団に囲まれて、何なら車に体当たりしてきそうな恐ろしい形相で威嚇をされ、悲鳴を上げながらアクセルを踏んで逃げたのでした。彼らから見れば、私たちが部外者。でも動物園の平和的な猿しか見たことがない私にとって、それはそれは恐ろしい体験でした。

帰宅した夜、布団に潜り込みながら、やっぱり住み慣れた家が一番だと確信しましたが、1週間くらい滞在してみたら、また違った感想を抱くのかもしれないとも思います。
ほとぼりが冷めた頃、また違う貸別荘を利用してみようと思っています。
次こそは準備万端で。

(2021.12.1 こまつ)

 

別荘から見た朝焼け。

 

登山もしました。雲が目の前に!