第157号 背伸びした夏の思い出

今朝、黄色い帽子をかぶった小学生たちが列になって登校する風景を久しぶりに見ました。
長い夏休みももう終わり。
花も少しずつ秋模様へシフトしています。

私が小学生の頃、夏休みは決まって栃木にある祖父母の家へ、1か月近く泊まりに行っていました。
近くに住む同年代の従姉妹たちも集まり、一緒に遊ぶのが何よりの楽しみでした。

埼玉県に住む私たち姉妹と、栃木県に住む従姉妹たち。
私は一番年上で、皆の前でちょっとだけお姉さんぶりたかったのを今でも覚えています。

ある時、親戚のおじさんから一人1,000円ずつのお小遣いをもらいました。
小学生にとって、1,000円札紙幣はちょっとドキドキする大金です。
私たちは片手にそれを握りしめ、5人で田舎の商店街にある駄菓子や雑貨が売っている店へ買い物に行きました。

皆は1個10円のガムや飴をたくさんカゴに入れ、いつもは買えない200円のアーモンド入り板チョコを買おうか迷っている様子。
私はしばらく悩んだのち、980円のカセットテープケースを買うことに決めました。
当時流行っていたゴーストバスターズのキャラクターが描かれた黒いビニールのボックスです。

そのクールなデザイン(?)のボックス、そして音楽が好きだという「お姉さん」アピール、1000円のうち980円を1点の商品に使ってしまう思い切りの良さ。
「私は大人なのよ」と伝えるには十分すぎるシュチュエーションです。
皆が驚いた顔をこちらに向ける中、私は余裕の表情でそれをもってレジに向かったのでした。

毎年夏になると、その日の出来事を少し恥ずかしい気持ちで思い出します。
あのカセットテープケース、どこに行ったかな。

(2017.8.30 こまつ)

白い鉄砲ユリ。夏の活け込みに活躍。

この夏も向日葵をたっぷり使いました。

夏のウエディングは涼しげな色合いで。