第121号 旅にて心を洗う

 

年が明けてから春が来るまでは、少し仕事のペースが緩やかになる期間です。気兼ねなく旅行に出かけられるのもこの時期。今年は夫と休みを合わせて、京都旅行に行ってきました。冬の京都は寒いイメージですが、幸いなことに天気にも恵まれ、持参したカイロも無用の快適な3日間でした。

写経にて雑念のない1時間。

写経にて雑念のない1時間。

特に事前に予定を立てず、その場で思い立ったところに行こうと決めていましたので、バスの一日乗車券だけを買って、あとは成り行き任せの気ままな旅。

東山の銀閣寺から南禅寺まで、哲学の道を1時間かけて散歩したり、途中でみつけた美術館では近代アートの展示に真剣に見入ったり、ふらっと訪れた建仁寺では、椿が窓越しに見える小さな離れで静寂の中、写経にチャレンジしました。

午後は一度ホテルに帰って昼寝をして疲れを癒し、夕食をとりにまた町中へ。

京都のお菓子「福だるま」。顔が少しずつ違います。

京都のお菓子「福だるま」。顔が少しずつ違います。

町屋を改装したフレンチレストランは料理もさることながら、店の雰囲気も素敵でしたし、鴨川沿いの料亭で頂いた日本酒とお料理もとても美味しかったです。古いものと新しいものがバランスよく融合された京都の魅力に、またすっかり惹きこまれてしまいました。

仕事から完全に切り離した時間を作るのは、みずみずしい感覚を保つためにとても大切なことだと思います。旅から帰った後も、あの場所のあの景色が良かったとか、お店でかかっていた音楽が素敵だったとか、思い出を共有しあうのも良い刺激になります。

京都の職人さん手作りの行平鍋を買いました。

京都の職人さん手作りの行平鍋を買いました。

自分の周りの小さな世界だけで満足するのではなく、色々なものに目を向けて受け入れる感受性を高めておくために、旅は一番良い方法かもしれません。
日常の中で、いつの間にかたくさんのフィルターがかかってしまった視界を一瞬にしてクリアーにしてくれる場所は、宇宙でもなく、遠くの外の国でもなく、意外と近いところにあるのだな、と思います。

(2014.3.23 こまつ)