第87号 中身が問われる服

一歩外に出ると、バラやハゴロモジャスミンの香りがふわふわと風に乗って漂ってくる、とても気持ちの良い季節です。梅雨入りまでの残り少ない一時を出来る限り満喫するために、普段は車で行く買い物も、最近は散歩を兼ねて歩いて行っています。

洗いざらしのコットンシャツ。

洗いざらしのコットンシャツ。

シャツ一枚で過ごせる、この季節が大好きです。
洗いざらしのシャツを着て、身体とシャツの間を風が通り抜けていくような、そんな一瞬に幸せを感じられるのが、まさに今。
男性でも女性でも、シャツを上手に着こなす人に惹かれます。

コットンやリネン素材の肌触りの良いベーシックな形のシャツを、ジーンズやチノパンと組み合わせたような、肩に力が入っていないラフな着こなしが好みです。

実家にある梅の木。実がなる樹木は楽しみも2倍。

実家にある梅の木。実がなる樹木は楽しみも2倍。

でもシンプルなコーディネートなだけに、インパクトに欠けるのも事実。できればアクセサリーやヒールの高いパンプス等に頼らず、サラッと格好良く着こなしたいものです。思い浮かぶのは、ジェーンバーキンやソフィアコッポラのような大人の女性の着こなし。品があって凛としていて、テレビや雑誌で見かけると思わず見惚れてしまいます。

潔いほどシンプルなのに、格好良さが滲み出るのは何故なのか。それはきっと、彼女達の中身が伴っているからなのだと思います。ポリシーを持って、毎日を大切に生きている姿勢が、シンプルなシャツを通して、魅力的に見せるのではないかと。

毎週、歯医者さんにお届けしている花。既にヒマワリの季節です。

毎週、歯医者さんにお届けしている花。既にヒマワリの季節です。

そしてこればかりは簡単には真似のできない、一朝一夕にはどうにもならない事だからこそ、私は格好良いシャツの着こなしに憧れを抱くのだと思います。

70歳になってもざっくりとシャツを羽織って、颯爽と街を歩く。そんな歳の重ね方が私の理想です。

(2011.5.26 こまつ)