第74号 気になる婚活事情

春は恋の季節。
最近は、婚活に勤しむ「ある男性」の姿をハラハラしながら見守っています。

母は「小松つばめ君」と呼んでいます。

母は「小松つばめ君」と呼んでいます。

5年ほど前のこと。
実家の玄関を出ると、地面に泥のついたワラが落ちていました。見上げると、天井近くの壁に、小さなツバメの巣ができていました。夫婦と思われる2羽のツバメが、ワラをせっせと運び、あっという間に立派な新築住宅を完成させていたようです。

ヒナが卵からかえり、玄関から出入りする私達を上からジッと見ている姿は何とも愛らしく、少しずつ成長するヒナの様子に、家族一同釘付けでした。その後、すっかり大きくなったヒナと親

電線でくつろいでいる場合では・・・。

電線でくつろいでいる場合では・・・。

鳥達が、巣立っていなくなってしまった時は、感動と寂しさで、家族全員がちょっとセンチメンタルな気分になったほどです。

その後、毎年必ず1羽のツバメがここに帰ってきます。外から分かりにくい場所にある巣なので、そこから巣立ったツバメなのだろうと思います。
2年前までは毎年ヒナが産まれましたが、去年は結婚相手がみつからず、卵も生まれませんでした。

そして、今年も1羽が帰ってきました。
「僕の家だ」と言わんとばかりに、ちょこんと一人、巣に入っています。ある晩、暗くなっても帰らず心配していましたが、翌朝お嫁さんを連れて2羽で帰ってきました。

昼寝しているケンタ(犬)の頭の上に、ワラが乗っていた事も。

昼寝しているケンタ(犬)の頭の上に、ワラが乗っていた事も。

「あぁ、良かった。」と胸を撫で下ろしたのも束の間、その次の日はまた1羽に。きっとフラれてしまったのでしょう。恥ずかしがり屋な性格なのか、昼間も遠出せず、家の近くの電線でくつろいでいます。

「もっと遠くに行って、お嫁さん探してきたら?」
「気に入ったら、積極的に行かないとダメだよ」

シロツメクサの綺麗な季節です。

シロツメクサの綺麗な季節です。

夜に巣に帰り、のんびりした顔でこちらを見下ろしているツバメに、思わず叱咤激励したくなるこの頃です。

(2010.4.27 こまつ)