第65号 四季折々 花から学ぶ

「今日もお花を見せてもらえますか?」
フラワー教室の準備をしていると、毎週小学3年生の女の子がやってきて、用意した花を真剣に観察していきます。「フラワーデザイナー」になるのが将来の夢だと、目をキラキラさせながら話す姿に、私も自然と背筋が伸びてしまいます。

夏はハーブティーも冷たくすると美味しいです。

夏はハーブティーも冷たくすると美味しいです。

出張講師の依頼を頂いた先で今迄出会った生徒さんは、おそらく1,000名近いのではないかと思いますが、そのうちの約1割は小学生のお子さん達です。

それらの沢山の出会いを通して感じるのは、やはり親御さんが植物を育てたり、興味を持っていると、お子さんも同じように興味を持っている事が多いという事です。

性別に限らず、小さいお子さんがいらっしゃる方は、是非一緒に近くの花屋さんに行ってみて下さい。春夏秋冬、それぞれの季節に一鉢ずつ、季節の花を一緒に選んで買って、育ててみて下さい。

先日の「お香作り教室」。ハーブの粉を混ぜています。

先日の「お香作り教室」。ハーブの粉を混ぜています。

「日当たりはどうかな?」とか「水はいつごろあげようか」とか、「蕾が膨らんで花が咲きそう!」とか、植物を通じて沢山の会話がうまれ、命あるものを大切に育む、優しい気持ちが自然と生まれてくると思います。その花が枯れてしまっても、それもまた自然の姿です。「どうして枯れてしまったのかな?次は気をつけて育ててみよう」と、学ぶことも沢山あるでしょう。

子供の頃に植物に慣れ親しむことで、自然をより身近に感じられるようになり、「道端の花がやっと咲いた」とか、「今日の月はすごく綺麗だな」といった自然の持つ美しさ

生徒さん作「アジアンテイストのアレンジメント」

生徒さん作「アジアンテイストのアレンジメント」

に感動し、それらは人生をさらに豊かなものにしてくれると思います。「植物を育てる」「植物に触れる」という行為から学ぶことは、予想以上に大きく価値があるものだと思います。

ちょうど今は、手頃で色鮮やかな花が多く出回っています。表情豊かな旬の鉢花「ハイビスカス」もお勧めです。お子様と相談しながら、今夏の一鉢を楽しみながら選んでみて下さい。

(2009/7/30 こまつ)