第42号 東京案内

8月某日両国にて。
猛暑日に、スペイン人男性と「ちゃんこ鍋」を食べました。
彼は、私の友人の恋人で、なんと今回が初来日。その東京観光に、私と河原もお付き合いすることになりました。実は私にとっても「ちゃんこ鍋」は初体験。恐らくこんな機会でもなければ、両国で真夏に鍋を頂くことはなかっただろうと思います。スペイン人の彼も慣れない箸を使いつつ、美味しいそうに食べていたので、私自身「初ちゃんこ」のクセにちょっと誇らしく、嬉しい気持ちになりました。

ちゃんこ屋さんで食べた「相撲コロッケ」。土俵に二人の力士が・・・。

ちゃんこ屋さんで食べた「相撲コロッケ」。土俵に二人の力士が・・・。

その後、場所を移して浅草散策もしましたが、改めて見渡せば浅草に外国人観光客の多いこと!スペイン人の彼も例に漏れず、雷門や浅草寺、境内に点在している石像の写真をたくさん撮っていて、日本の文化に感動していました。
今回、彼が来日することを知った時、限られた時間で東京を案内するには、どこが適しているかを考えました。表参道や六本木の「新観光スポット」も思い浮かび、実際に外国人も多く観光に訪れることも承知していましたが、そこにあるのは「日本の文明」であり、「文化」ではないような気がしました。

スペインからはるばるやって来て、東京で肥桶を担いだ彼。(江戸東京博物館にて)

スペインからはるばるやって来て、東京で肥桶を担いだ彼。(江戸東京博物館にて)

最新テクノロジー&最先端デザインが、これでもかと並ぶ空間・・・。清潔感があって綺麗ですが、私はそこを訪れる度にいつも落ち着かない気持ちになります。今の「最先端」が数年後に「最先端で無くなる」事実を考えると、果てしない追いかけっこを見ているような気持ちになり、勝手に一人で疲労してしまいます。

始めて日本を訪れるスペイン人の彼には「日本の文化」を知ってもらいたかった・・・。「仲見世」の今ひとつ垢抜けない感じも(失礼!)、裏路地の大衆的な居酒屋の雰囲気も、愛嬌や風情があって私は大好きです。

友人達。この後みんなで「おみくじ」を引きました。

友人達。この後みんなで「おみくじ」を引きました。

「古くなれば古くなるほど魅力を増す、日本の文化ってすばらしいじゃないか!」と感慨に浸るも、世界最薄の「最先端」携帯電話を購入している私。やっぱりどっちも捨て難いのが本音です・・・。

 

 

 

 

(2007/08/27 こまつ)